詳しい指導歴

数学

大学および大学院時代の10年間主に数学の家庭教師をして、40人ほどの中高生を指導しました。(もちろん英語も指導しました。)数学専門の家庭教師をした理由は、数学が苦手なお子さんが多かったということもありますが、数学が最も成果が出やすい科目であったからです。数学は英語などとは違い、定期テストの直前に一気に狭い単元の大量の問題を解かせることで、相当な高得点をあげることができました。生徒さんも、成績が上がるとやる気を出して、それまで嫌いだった数学の学習が面白くなるという好循環が生まれたのです。そして私は多くの生徒さんを指導するうちに、数学のできない子供をできるようにするコツをつかみました。

数学の苦手なお子さんには大きく分けて3つのタイプがあることもわかりました。第一のタイプは数学の勉強の仕方を知らない、というタイプです。このタイプは非常に指導が簡単で、正しい勉強法を教えることにより速やかに成績が上昇しました。第二のタイプは感情的に数学に対して苦手意識をもっているお子さんです。このタイプのお子さんは、定期テスト直前に特に念入りに指導して、徹底的な定期テスト対策を行いました。そうすることでこれらのお子さんは、今まで取ったこともない高得点をゲットできました。「やればできるんだ」という自信が生まれ、数学に対する苦手意識も吹き飛び、いつしか苦手科目の数学が得意科目へと変わってゆきました。見ていて楽しかったですね。第三のタイプは、数学は積み重ねの科目ですが、過去において理解してない分野があるとか、基礎的な理解が欠落している分野があるお子さんです。このタイプは指導が最も大変です。まず、どこの部分が欠落しているのか、見つけ出す必要があります。これが意外に困難でした。中学3年生のお子さんでも、小学校の分数の割り算がよくわかっていないとか、中学1年で学ぶ文字の計算のルールがよくわかっていないとか、いろいろなケースがあるのです。私の子供の同級生が、小学校の授業の時に(2/3)+(2/3)=(4/6)と皆の前で計算したそうです。このお子さんは分数の概念がわかっていなかったのですね。当時行われていたゆとり教育の弊害だなと思いました。

トラネコ数学塾では、算数・数学の概念の理解や使用能力の欠落がないか、確認のテストを行います。確認範囲が広いので大変ですが、時間をかけて念入りに行います。例えば、中学3年生のお子さんで、x2-y2 という形の式をみて 
(x+y)(x-y)の形が瞬間的に頭に浮かばなければ、
x2-y2=(x+y)(x-y) という公式の使用能力が欠落しているといえます。

え、なぜ瞬間的に頭に浮かぶ必要があるかって?

数学の基本事項、基本概念、基本公式は瞬間的に出てこないと使えないからです。

極端な例ですが、九九において、「7かける8は確か56だよなー」と10秒くらい時間をかけていたら、まず算数の問題は解けませんよね。              7×8=56 が一瞬で出てこない人はあまりいないと思いますが、数学が苦手なお子さんの中には、x2+2xy+y2

を見て、一瞬で (x+y)2 が頭に浮かばないお子さんもいると思います。これは基本事項を理解してはいるが、使えるレベルまで到達していないということで、早い段階で克服しておかないと、高校入試などで大変なハンデとなります。今までは、かなり極端な例をあげましたが、「二次方程式の解の公式が一瞬で出てこない」というお子さんもいらっしゃるでしょう。10秒かけて頭に浮かんでも遅いのです。これもまた、基本事項の使用能力の欠落ということになります。トラネコ数学塾では欠落している基本事項を徹底的に補強してゆきます。

自分の子供を指導するようになってからは、「できる子を非常にできる子にするにはどうすればいいか?」ということに頭を使いました。私の子供達は後に述べる理由のため数学は得意でした。「単なる得意科目」をいかにして「公立高校入試でほぼ満点をとるか」、「全国模試でトップクラスの成績にするか」、「慶應の理工学部へ合格するための学力をつけるにはどうすればいいか」、「東大理Ⅰ(Ⅱ)もしくは国立大医学部へ合格するためにはどうすればいいか」などが、私の課題となりました。この時期に、数学では、「どの問題集をどういう順序で何回こなせばよいか」ということが非常に重要であると再確認しました。(自分の受験の時に一度確認していたため。)特に難関大学を目指す場合、大学受験の完成期においては、「青チャート」→「一対一対応の演習」→「スタンダード数学演習」→「新数学演習」が典型的なコースです。ここで上の子は「スタンダード数学演習」を1回しかやらなかったため、「新数学演習」への移行がスムースにいかず苦労しました。下の子供には「スタンダード数学演習」を必ず3回やるように!とうるさく言ったために、スムースに「新数学演習」へ移行でき、それほど難しくは感じなかったそうです。上記のような一見何気ない情報はとても大切なのです。要するに、問題集をやる順序と回数はとても大切だということです。

また数学の問題演習においては、「考えすぎてはいけない」ということも痛感しました。和田秀樹という人が「暗記数学」という考え方を提唱していますが、一理あるのです。確かに東京大学の数学の入試問題では、「暗記数学」では解けないような問題を出そうと試みている傾向がみてとれます。しかし完全にオリジナルな問題を作成することは困難です。私の子供の通っていた鉄緑会という塾で、数学の構内模試の分析をしていましたが、やはりオリジナルな問題は殆どありませんでした。東大の数学も同様です。過去に出た問題を組み合わせて、一見どこから出したかわからないようにして問題を作成しています。例えていえば、一見微分積分の問題であると思ったら、実は確率の問題であったということもあります。試験の際に必要とされる能力は高度な数学的思考力というよりは、どこから問題を出しているか探し出し、それらを組み合わせて正解へ到達する道筋を作る能力です。極論を言えば、東大理Ⅰへ合格するためには、数学で高得点を狙わない限り、青チャートおよび一対一対応の演習で十分だと思います。(うちの子供は医学部志望で最初は東大医学部(理Ⅲ)を目指していたため、わざわざ「新数学演習」のような難しい問題集をやったようです。しかし、「リスク回避」の観点から地方大学へと変更しました。)ただし、青チャートの問題がそのままの形で出題されることは少ないでしょうから、青チャートのどの問題とどの問題がどのように姿を変えて、かつ組み合わされて出題されているのかを見抜く能力が必要となります。では本当にオリジナルな問題が出題されたらどうすればよいのか?

例えば、東大の1999年の問題では「加法定理を証明せよ」、 2003年には「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という、これまでになかった問題が出題されました。結論を言えば、このような完全なオリジナルな問題は無視すればいいのです。試験場で緊張した精神状態でこのような問題に取り組むべきではありません。重要なことは、難問を解くことではなく、合格することです。こんな難問を解く暇があれば、簡単な問題を探して簡単な問題から解いてゆけばいいのです。完全なオリジナル問題は全く無視しても、合否に影響はないと言えます。それどころか、オリジナル問題で考え込んでいたら、無駄に時間を浪費して解ける問題まで解き損ねて、低得点に甘んじることとなります。

話は飛びますが、埼玉県の公立高校入試問題と算数オリンピックの両者において高度な思考力が不必要であることを塾長自身がYouTubeの投稿動画で示しています。参考にしてください。

算数

私の子供達は、小学校入学前から百マス計算や公文をやらせており、入学後もそろばん教室へ通わせたため計算が得意で、それと比例するかのように算数は得意でした。しかし子供が小学2年のある日、妻から「応用問題が苦手なようだから、子供の勉強を見てくれない?」と要請されました。これが自分の子供達への指導の始まりでした。当時は小学校低学年用のかなり難しい問題集を販売していましたので(今はなくなっている)、そのシリーズを小学1年~5年生まで購入してかなり徹底した指導を始めました。計算練習も公文とそろばんでやっていたのですが、先取りする形で分数の割り算まで一気にやらせました。同時に応用問題も進めてゆきました。小学4年生になると進学塾のSAPIXへ入塾したため、SAPIXの算数の補習を担当しました。(これは経験からですが、SAPIXのような進学塾へ行かせた場合、算数と理科の物理分野および天文分野は親がサポートしたほうがいいと思いました。)

SAPIXの算数はかなり難しく、親がある程度かみくだいて説明する必要を感じました。また、何度も解かなければいけない問題と1~2回解けばいい問題の識別が大事でした。そのため、私は小学4年生から6年生までのSAPIXの全ての問題を自分で解き(もちろん5分程度考えて、すぐに解き方がわからないと解答を見たが)、1回か2回解けばよい問題と複数回練習するべき問題を峻別しました。その時の基準としたのは、その問題の重要度すなわち、その問題がよく出されるか、ほかの問題へと応用されるかでした。問題は解けるようになるまで練習するべきだという意見もありますうが、私はそうは思いません。重要な問題は何度でも練習するべきだし、重要でない問題は1回解けば十分だと思います。

私自身は小学校時代に劣等生でありおまけに中学受験の経験がありませんでした。そのため学生時代も小学生の家庭教師は避けていました。しかし、偶然にも自分の子供達を指導することとなり、小学校算数の勉強の仕方と教え方、中学受験算数の勉強の仕方と教え方を体得することができました。一時期、私の頭の中には小学4年生から6年生までのSAPIXの算数の全ての問題とその解き方がインプットされていました。(今ではさすがに消えてしまいましたが。)

私が自分の子供達の指導を通じて学んだことを大まかに言うと、算数では①基本概念を完璧に理解すること、②計算力をつける練習をすること、③応用問題を解く練習をすること、④感情が勉強に及ぼす力を理解すること、の4点が重要です。

そのために、基本概念については右脳・左脳の両方で理解できるようにとても解かりやすく説明します。右脳で理解するとは、算数の概念がイメージでわかるということです。

つぎに計算練習と応用問題練習は車の両輪であり、毎日少しずつでもいいから、コツコツと練習を続ける必要があるということです。その際に、計算練習と応用問題練習は異なる技術であるため、時間を分けて練習したほうがよいでしょう。トラネコ学習塾では、授業が始まる少し前に来塾してもらい、自習室で計算練習をして頭をウォーミングアップしてから、授業に入るようにしています。

最後に感情の問題について述べます。感情は勉強において最も重要な要因となります。小学生を指導する際には、絶対に怒ったり叱ったりしてはいけません。もしもお子さんがテストで悪い点を取ってきてがっかりしていたら、明るく微笑みながら「大丈夫だよ。今度はいい点がとれるよ。おまえが頑張ったからママ(パパ)は満足しているよ。努力のお祝いとして、焼き肉でも食べに行こうよ。」と励ましてあげてください。テストの成績が良かったら、褒めてあげて、あまり甘くないケーキでも買ってきてお祝いのパーティでもしてあげてください。また、問題が解けた時には、必ずこまめに褒めるようにしてください。なぜ、勉強において子供を叱ってはいけないのか?勉強で叱られると、お子さんには「叱られた」という嫌な感情が残ります。お子さんの記憶には「勉強」→「叱られる」→「嫌だ」という感情が残るのです。このループが強くなると、「勉強」と考えただけで、「叱られた、嫌だ」という感情が反射的に浮かぶようになります。こうなると、お子さんは勉強が嫌いになり、成績は伸びなくなるのです。だから、勉強に関しては、お子さんを絶対に叱ってはいけないのです。逆に、勉強のたびに褒められていると、お子さんは「勉強」→「褒められる、楽しい」というポジティブなループが頭の中にできあがります。そうなると勉強が好きになるので、言われなくても、自分から進んで勉強をするようになります。これほど勉強に対する感情の果たす役割は大きいのです。

私は自分の子供達を指導する時には、褒めて褒めて褒めまくっていました。問題集のテスト問題を解かせた時など、仮にわずかなケアレスミスで1問だけ間違っていた場合など、故意に〇をつけて、できていたことにして、「また満点だったよ。おまえはテストするといつも満点取るよね。」とごまかしていました。(ここまでやると詐欺みたいですね。)でも子供達は、本当にうれしそうな顔をしていました。妻から聞いたのですが、子供達は「パパと勉強すると楽しい」とよく言っていたそうです。

また、子供が某有名中学校へ合格した時には、家族全員で胴上げをしてお祝いのパーティをしたのはもちろんですが、学校からもらった「合格証」をB4へ拡大コピーして、6年間居間に貼っていました。子供が居間へ入って貼り付けてある合格証を見たときに、合格した時の喜びの感情を思い出させるためです。長々と述べましたが、勉強においては、マイナスの感情は完全に消しさり、プラスの(喜びの)感情を何度も何度も追体験することがとても重要なのです。

英語

トラネコ学習塾では中学の教科書英語にを徹底的に指導します。

これには私の個人的経験も影響しています。

長くなりますが、「中学教科書英語」がいかに大切かわかっていただくためにお付き合いください。

実は私は、小学6年間を通じて劣等生でした。小学校で習う内容で理解していない箇所は無かったのですが、宿題をやったことがなかったために最低評価となり、国語、算数、理科、社会の主要4科目は5段階評価で1と2しかとったことがありませんでした。大半が1だったと思います。だから私の小学時代の学力評価は、学校でも最低レベル、ビリに近かったと思います。

地元の公立中学校へ入学してから、私は英語の勉強を始めました。理由は単純で、将来アメリカへわたって、アメリカで働こうと考えたからです。いろいろと試行錯誤したあげく、私は独自の英語の勉強法を開発しました。いわゆる「明石式英語学習法」です。これは、自分で言うのもおこがましいのですが、極めて合理的な学習法でした。私はこの自分の開発した独自の英語勉強法により、中学校の最初の中間テストで満点をとり、いきなり学年トップとなりました。英語の満点は私だけだったようです。「勉強ってやればできるもんだな」と思った私は、つぎに数学の勉強を始めました。中学1年生の一学期の期末テストでは、英語と数学で学年トップとなりました。すると、勉強がなんとなく面白くなり、夏休みに手を抜いていた理科と社会を仕上げ、英語と数学は二学期に習う内容を殆ど仕上げてしまいました。二学期の中間テストでは、全科目でほぼ学年トップ、5教科合わせると、トータルで学年トップとなっていました。

ここで考えました。「自分は小学校の時、成績は学年でほぼビリだった。その半年後の今、成績は学年トップだ。勉強の成績は半年でビリからトップになった。しかし、頭の良さが、半年でビリからトップに変わることはありえない。ということは、勉強ができることと頭の良しあしは全く関係がない。」上記の理由により、私は「勉強ができることと頭の良さは無関係である」という法則に到達しました。厳密に言えば、この法則は必ずしも正しくはなかったのですが、単純な私は「学習の成果は、努力と工夫(要領)によってのみ決まる」と信じ込み、猪突猛進が始まりました。猪突猛進は高校1年生に挫折するまで続きました。

さて、私が全精力を傾けて開発した「明石式英語学習法」はほぼ完璧でした。中学英語の鉄壁の基盤があったため、高校英語と受験英語も自己流でマスターでき、東大の2次試験ではほぼ満点をとることができたのです。私が大学生の時の夏休み頃、某大学附属中学校3年生の親御さんが「英語が全くできなくて困っている。このままでは、英語のせいで附属高校に進学できない。なんとかしてほしい。」と頼み込まれました。生徒さんに会って、英語の学力を試してみると、本当にできないので驚きました。中学校へ入学してから3年生の夏になるまでに、英語の勉強を何もしていなかったのです。これほど英語のできない子も珍しいのですが、逆に言えば、頭の中が真っ白で変な知識がないだけ教えやすかったのも事実です。本人も英語ができないことを自覚しており、また非常に素直な性格をしていたので、普通なら嫌がる面倒な「明石式英語学習法」を中学1年生の初歩から実践してくれました。真面目で努力を嫌がらない性格だったので、成果は早く現れました。3か月後には英語は得意科目に変わっていました。年を越す頃には、中1~中3の英語は定期テストではほぼ満点をとれるレベルになっていました。指導開始の翌年には高校進学も無事決定し、ずいぶんと感謝されました。長く家庭教師をやりましたが、ここまで感謝されたのは珍しかったです。やはり、学力ゼロを超得意科目にかえたことが大きかったのでしょうか。

自分の開発した「明石式英語学習法」を他人へ教えたのはこれが最初で最後でした。この学習法は我が家の秘伝としてとっておき、自分の子供達へのみ教えました。しかしトラネコ数学塾の英語クラスでは100%公開というわけにはいきませんが、8~9割程度は公開する予定です。なぜか?
実は私の子供達は日本を出て海外に居住して働こうとしているからです。だから特別な英語学習法を家伝として所有していてもあまり意味がなくなったのです。

もう1つの理由は日本人全体の英語の能力を底上げする必要を痛感しているからです。日本の中学校の英語の教科書は大変素晴らしいと思います。(これは私自身の体験、自分の子供達に英語を教えてきた体験によります。)

「英語を6年間も勉強しても英語を話せるようにならない。日本の英語教育はおかしい!」という発言をよく耳にします。しかしこういう趣旨の発言は必ずしも正しくはないと思います。私はこういう人達に言いたい。「あなたは中学の英語の教科書をしっかり勉強しましたか?英語の教科書に掲載されている英文が仮に日本語で出された場合、いかなる日本文でも一瞬で英語に翻訳できますか?」多分できない人が多いと思います。このような人たちは「英語を話せないのは教育が悪い」と言う前に、中学の英語教科書をしっかり習得してほしいと思います。私は中学の英語教科をほぼ完璧にマスターしていたので、会話も楽に習得できました。仕事柄、外国人の研究者や官僚と話す機会が多かったのですが、英語で意思疎通ができました。ただしネイティブ・アメリカンにナチュラルスピードで話されると聞き取りに大変苦労しました。その理由は音が繋がると変化してしまうからです。例えば、ウォーターはワラと聞こえます。またアメリカ南部の人は訛りがあって聞き取りづらかったです。逆に、イギリス人の英語は速くても言葉が変化しないので聞き取りやすかったです。

英語教育を批判する人たちは、なぜつぎのように文句を言わないのでしょうか?「日本の数学教育はおかしい。6年間も勉強しているのに、微分積分さえ使うことができない。」教育が悪いのではなく、微積をマスターしていないことに問題があると思います。もちろん、日常生活で微積を使うことは殆どありませんが、仮に機会があったとしてもできない人は多いと思います。英語も全く同じです。教育が悪いのではありません。英語の基本(教科書)をマスターしていないから日常会話が上達しないのです。少なくとも、私の周囲には英語の基本をマスターしていない人が大勢いました。有名進学高校の3年生にもなって、英語の関係代名詞の主格と目的格の区別がつかない生徒もいました。これは中学3年生で習う範囲です。だから再度言います。日本の学校教育を批判する前に、中学校の教科書をマスターしてください。基本的なルールを覚えないと、会話もできるようにならないのです。

自分の子供達への英語の指導ですが、中学受験の終了した2月5日頃から始まりました。まず2週間以上かけて発音記号と口の形と音をマスターしてもらいました。次はアルファベットです。ゆとり教育のため、小学校でローマ字を習ってなかったので、1週間かけてブロック体を覚えてもらいました。次に筆記体を覚えてもらおうと考えたのですが、これは子供たちから拒否されました。実は筆記体は、大学受験で大量の英単語や英文を暗記するのにおおいに役立つのですが、本人が嫌と言うのを強制することはできません。

私は大学受験時に、「試験に出る英単語」1800語と「基本英文700選」を短い時間で覚えこみました。特に「試験に出る英単語」などは、18歳の時に覚えたのですが、49歳になるまで1番のintellectから600番目のcherishまで、暗唱することができました。凄い長期記憶ですね。私の使用した記憶法は、現在YouTubeなどでよく出ている記憶法とは全く異なる原理を用いています。いずれトラネコ学習塾の高校部で英語クラスを開設する予定ですから、その時には公開する予定です。

わずか3ヶ月という短期間で完全な長期記憶として定着できた理由の1つは筆記体を使えたからです。筆記体を使うとブロック体の約4~5倍の速度で英単語や英文を書くことができます。ブロック体では短時間で大量の単語を覚えこむことはできないのです。また筆記体を覚える時間=二週間程度で将来に英単語や英文を覚える時間を大幅に短縮できるなら、コストパフォーマンスは絶対にいいと思います。しかし、子供が嫌と言うなら、無理強いはしません。感情的に嫌なことをやらせても、ろくな結果がでないからです。

現在は筆記体を使わずに、短期間で大量の英単語を記憶する方法の開発がほぼ終了しました。かなりオリジナルな手法です。しかし、自分の身体でこの新しい記憶法が有効であることを完璧に確認するまでは(いわゆる治験ということです)、他人に教えることはできません。生徒をモルモットにして自分の学習法を研究することはできないのです。

発音記号とアルファベットが完璧になったら、いよいよ教科書の本文へ入ります。もちろん中学合格と同時に使用している教科書名を学校へ問い合わせて、教科書を購入してありました。ここで「明石式英語学習法」を用いて教科書をマスターするのですが、筆記体が使えないため、やや時間がかかり、中学1年生の英語を終了したのが、入学式の前後でした。夏休みには再度「明石式英語学習法」により、中学2年生の英語をマスターし、中学3年生の教科書も少しマスターしておきます。最後に、二学期の定期テスト終了後から冬休みの時間を使って中学3年生の英語をマスターして終わりとなります。冬休みでは終わらず、春休みを使った記憶もあります。

子供達は中学3年生の英語をマスターした段階で、中1~中3の教科書を全て暗唱できるようになっていました。「暗唱できる」といっても、無理矢理記憶させたのではありません。重要例文以外には、基本的に英文を覚えないように指導しました。しかし「瞬間英作文」を何度も繰り返すうちに自然に教科書の文章を覚えてしまったのです。私の子供達はこのようにして、英語の土台を築いてゆきました。

続く

 

PAGE TOP